【デスティニーチャイルド】韓国版での”失敗”

4gamerのインタビュー記事にてキム・ヒョンテ氏の語った韓国版リリース時の”予想外の出来事”について、具体的にどのようなことがあったのか調べてみた。
※ソースはすべてInvenやnaverニュース記事かつ、自動翻訳を介しての解釈であることを予め付記しておく。

Invenのニュース記事のログを韓国版リリースの10/27まで遡り、それらしいものを探した。10/27以前も記事はあったが大体がCBTに関するもので、内容もいたって平和(のように見える)なものだ。韓国版の事前予約特典がクリスタル500個だったそうだ。へえ~。

10/27当日も、多少の不具合がありつつも、そこまで大きな問題はなさそうだ。ガチャの提供確率に関する記事だけ、なにかの伏線めいててちょっとゾクっとする。ちなみにこの記事によると★5の排出確率は1.44%だそうだ。おや……?

10/31に臨時メンテナンスとその延長を告げる記事があった。アプリリリース時のお約束だろう。コメント欄もそこまで荒れていない。補填がどうとかイベントがどうとか、とても和気あいあいとしている。

キャライラスト差し替え問題

11/1にようやくそれらしい記事が姿をあらわした。あるキャラクターについてのイラスト差し替え案内だ。

この記事だけでは背景がわかりにくいが、どうもあるキャラクターの作画を担当したイラストレーターがメガリアの利用者だったことが発端のようだ。メガリアはフェミニズム関連を標ぼうするウェブコミュニティだが、調べてみるとどうもそれだけではなさそうだった。思想に関するセンシティブな問題を孕んでいるので、これ以上は差し控えるが、詳しく知りたい方は自身で調べるなり、解説しているサイトを覗くなりしてみるとよいだろう。

ともかく、何らかの政治的判断により当該イラストレーターの作画はゲームから削除された。

ガチャ確率詐称問題

11/9の記事だ。確率公表から二週間もたっていない。浦沢直樹ばりの伏線回収である。

あるプレイヤーが大金を投じて実際にデータを取り、公表されている確率が違うことを明らかにしたそうだ。グラン某ルーファンタジーで起こった事件を彷彿とさせる。

多少の差異であれば誤差だと突っぱねることもできたかもしれないが、実際の★5召喚確率が公表よりも四割近く下がったとあっては無視を決め込むわけにもいかない。NextFloor代表の金ミンギュ氏は記事内で、現在公表されている確率は”天井到達ボーナスで獲得できる分を加味した数値”だと釈明し、正しい★5召喚確率は0.9%だと訂正した。

また、10連召喚時に★4が1体確定となるようにしていたが”★4以上確定”ではなかったため実質★5になる可能性があるのは10連召喚中9体であったことがさらに獲得確率を下げる原因になったとも説明している。

この問題のお詫びとして、それまでに使用した全クリスタルを100%返還(払い戻しではない)することと、10連召喚時のボーナスを★4を1体確定ではなく、1体多く召喚できるよう仕様変更するとした(★4確定も削除)

和風背景作画問題

11/15の記事だ。先日のガチャ確率問題が冷めやらないうちの追い打ちだ。この問題自体は一部の国内まとめサイトなどでも取り上げていたので、知っている方もいるかもしれない。ゲーム内では韓国の都市とされていた背景が実は東京のものであったり、ゲームデータ内に日本語で書かれたスクリプトが発見されたりしたという内容だ。

背景作画は日本の業者に外注した際のチェックが漏れたためで、日本語スクリプトは多言語UIテストによるものと説明している。

この時点でデスティニーチャイルド日本版はおろか海外版の展開も明示されていなかったが、韓国のプレイヤーからは「韓国版は日本や海外展開の踏台なのでは……?」という疑念が生まれた。また、この作画の問題についてはだいぶ前から指摘があったらしく、コメント欄は「おせーわ」という声であふれている。

今年、日本でのリリースが決定したのは韓国のプレイヤーからすれば「でしょうね」という感じだろう。実際、日本リリースを知らせるニュース記事内では「”本国”でのリリースおめでとう」といった皮肉コメントが散見される。

お客様センター対応問題

12/2の記事だ。これはちょっと詳細がわからなかったのだが、お客様センターで課金の払い戻しについて案内をしたオペレーターが誤った対応をしてしまったため、なんらかの問題に発展したようだ。

案内を担当したオペレーターが新人であり、また顧客とのやり取りに誤解があったため問題が生じたと説明している。具体的になにがあったかは不明だが、課金がらみのことなので推して知るべしだろう。記事へのコメントは「新人のせいにすな」という意見が多い。そりゃそうだ。

デスティニーチャイルド韓国版の”失敗”

ガチャ確率詐称で産まれた疑念を他の問題が補強してしまった、という印象だ。

0.9%も1.44%も、それを信じて万券を突っ込む奴の頭がおかしいという意味では大差ない確率だ。

自慢できることではないが、ガチャに金を突っ込む自分がまとも出ないことぐらい自覚している。確率の高に関わらず、不確定要素に金を賭けること自体まともな金銭感覚ではない。それでもまともなフリをしていたい人間が最後に拠り所とするのが確率だ。狂人ではないと言い訳できる最低限の防波堤がそれだ。

そこをグラつかされてしまうと、課金するプレイヤーは自分の愚かさに気づかざるを得なくなってしまう。ガチャを回す時ぐらいバカな小学生になっていたいのに、急に大人の思考が首をもたげてしまう。目を醒ますなという方が無理だ。

キム・ヒョンテ氏が”多くの人に迷惑をかけた”と語ったのもおそらくこの辺りだろう(メガリアや和風作画問題はそもそも日本で同様の問題に発展しにくい)。 やらかした、という認識があれば大丈夫だと思いたい。TGS試遊機を触った限りだとガチャの10連が★4確定仕様のままだったり、そのくせ天井システムの痕跡がなかったりと色々不安だが、大丈夫だと思いたい。