韓国版では既に広く知られたダメージ計算式があったが、果たして日本版でも同様に機能しうるのか検証する。
韓国版では低防御帯と高防御帯とでで使用されるダメージ計算式が異なっていたが、今回は低防御帯にのみ絞った。また、今回検証を行うのは自動攻撃、ノーマルスキル、スライドスキルの3項目のみとする。ドライブスキルは後日、稿を改めてお伝えしたい。
前提
- 通常攻撃検証に使用した計算式は
(((総攻撃力×20×属性補正)/(敵防御力×0.4+500))+スキル表記ダメージ-装備無し攻撃力×20/500)×(1-敵防御力×0.005/100)
※敵防御力8000以下 - ノーマルスキル検証に使用した計算式は
((スキル表記ダメージ×400+装備攻撃力×125)×(属性補正+クリティカル補正)/(敵防御力×0.15+400))×(1-敵防御力×0.008/100)
※敵防御力5000以下 - 通常攻撃連打型ノーマルスキル検証に使用した計算式は
(((総攻撃力×20×属性補正)/(敵防御力×0.4+500))+スキル表記ダメージ-装備無し攻撃力×20/500)×(1-敵防御力×0.005/100)×(属性補正とクリティカル補正)+追加ダメージ
※敵防御力8000以下 - 検証に使用するダメージ計算式は韓国プレイヤーNymphet氏のinven投稿記事を参照した。
- 属性補正は不利属性時0.7、有利属性時1.4、それ以外は1とする。
- クリティカル補正はクリティカル有のときは2、なしのときは1とする。
検証方法
- 使用するチャイルドはヘスティア、フレイ、フェンリル。
- リーダースキルや各種バフなど、ダメージを変動させる要素を排除。
- 装備を全て外した状態で韓国版のダメージ公式が日本版でも機能しているか検証。
- 装備補正、属性補正、クリティカル補正についても同様に検証。
通常攻撃のダメージ計算
計算式の検証といっても、日本版での敵防御力が公開されていない以上、答えの用意されていない方程式を解くようなものだ。ある程度の決めつけを承知の上で検証を進めることとする。
使用するステージは1-1-1。先日、装備の隠しステータス検証記事で同ステージを使用した際に使用した★1チャイルド”ソーダ味注射器”の通常攻撃が全く減衰しなかったことから、このステージの敵は防御力が”0″あるいはそれに近いほど低いと仮定する。
まずは装備を外したフレイで通常攻撃を行ってみる。使用するフレイのステータスは以下の通り。
HP | 攻撃力 | 防御力 | 機敏性 | クリティカル |
6114 | 4655 | 2292 | 2505 | 2736 |

ステータス上の表記ダメージは301だったため、わずかだがダメージが減衰した。
与ダメージから逆算して敵の防御力を求めると約12だ。公式を使用して防御力12の敵に★1ソーダ味注射器が通常攻撃で与えるダメージを求めると、23.93となった。実際のダメージは24だったため、なるほどという感じである。
念のため2ラウンド目の小さなキロラムも殴ってみる。フレイの有利属性のため属性補正1.4がかかるため、防御力が小さなアオラムと同じと仮定した場合ダメージは373(372.7)となるはずだ。

なった。
以上から、多少乱暴だが通常攻撃のダメージ計算式は韓国版から変更なしと決めつけてしまう。決めつけておかないと今後の検証が一切立ちいかなくなってしまうからだ。
ちなみに、ふと思いつきでフレンドに親善試合を挑み防御力2743のイブを殴ってみたところ、ダメージが計算より1.5%ほど下振れたことは完全に見なかったこととする。相手のリーダーバフもわからないし、そもそも対人戦にどのような補正がかかってるかもわからない。たぶん私が挑む前にイブがどてらでも着込んだのだろう。最近寒いし絶対そう。
ノーマルスキルのダメージ計算
多少ガバついたものの、通常攻撃のダメージ計算式が韓国版から変化がなかったのは幸先がよい。引き続きノーマルスキルの検証を行う。
使用するキャラは★6ヘスティア。ステージは2-2-1の1ラウンド目だ。ヘスティアのステータスは以下の通り。
HP | 攻撃力 | 防御力 | 機敏性 | クリティカル |
7372 | 5524 | 2763 | 3021 | 3265 |

まずは通常攻撃で殴り防御力を逆算した。中央のLv19バニーの防御力は約1318、両隣のLv12バニーの防御力は約1149だ。それを踏まえてノーマルスキルを使用してみる。


ん。
おかしい。
ダメージが出すぎている。
ノーマルスキルの表記ダメージは1867だ。属性補正もクリティカル補正もない状態で上述の防御力の敵を殴った場合、ダメージはそれぞれ約1117と約1184になるはずだ。誤差というにはあまりに乖離している。
ノーマルスキルの最終ダメージは、装備を含めて算出されたダメージから防御力を加味した数値(敵防御力×0.15+400)が除算され、さらに防御力に応じた減衰値(1-敵防御力×0.008/100)が乗算されることで決定される。ここからは推測だが、どうもこの二度目の減衰値乗算が丸ごとなくなっているような気がする。
違う敵を殴ってみる。

ステージ5-8-1。少女探偵の防御力は約1916だ。もし二度目の減衰値乗算がなくなっているのだとしたら、少女探偵へのノーマルスキルダメージは1086かそれに近しい数値となるはず。

なるほど。
ぴったりとは言わないまでも、なんとなく説得力のある数値が出た。日本版では二度目の減衰値乗算が削除されていると見てよいだろう。よいこととする。
以降の検証はダメージ算出式が下記であるという前提のもと進める。
((スキル表記ダメージ×400+装備攻撃力×125)×(属性補正+クリティカル補正)/(敵防御力×0.15+400))
武器補正ありのノーマルスキル
続いて、武器を装備した場合のダメージを検証してみる。ステージは2-2-1。装備した武器は道路標識+10。上昇攻撃力は602。
装備の影響力を決定する数式に変更がなければ、Lv12,Lv19バニーへのダメージはそれぞれ1436、1375となる。


ご覧の通り。装備の影響力は韓国版から変化なしとみてよい。
属性補正ありのノーマルスキル
不利属性補正をステージ5-2-1で検証。敵防御力はLv30キューブが1722、Lv40ダヌが1517、Lv24ゴガが1330だ。不利属性補正の0.7が乗算されるためノーマルスキルダメージはそれぞれ874、917、960となる。



こちらも韓国版から依然変わらず属性補正が乗算されている。
※ちなみに、この時使用したヘスティアは前述の武器を装備したままである。
クリティカル補正とクリティカル&属性補正ありのノーマルスキル
ステージはチュートリアル。装備なしの★5フレイを使用。
まずは有利属性の補正検証。キロラム防御力12とした場合の算出ダメージは約2226。

計算上とほぼ同値。続いてクリティカル&属性補正ありの場合。
数式上はクリティカルと属性補正の合算値が乗算されるため、有利属性かつクリティカル発生時は最終ダメージの2.4倍となる(2.8倍にはならない)。今回の場合は計算上3816ダメージとなる。

ほぼ同値。クリティカルと属性補正は合算後に乗算されていると思われる。
通常攻撃連打型ノーマルスキルのダメージ計算
通常攻撃連打型ノーマルスキルのダメージ計算はやや特殊だ。
ダメージ計算そのものは通常攻撃のものを使用し、追加ダメージがあれば最終ダメージに対象防御を無視して加算される、という式になっている。
また、属性やクリティカルによる補正も独自のものが使用される。条件によってかかる補正値は以下の通りだ。
- 弱点攻撃:2
- クリティカル攻撃:3
- 弱点およびクリティカル攻撃:3
検証に使用する★4フェンリル(+1)のステータスは以下の通り。
HP | 攻撃力 | 防御力 | 機敏性 | クリティカル |
1818 | 1356 | 657 | 718 | 785 |
装備を全て外した状態で、まずはお馴染み1-1-1で連打ダメージを検証する。
通常攻撃の表記ダメージは196、ノーマルスキルでの追加ダメージは166。
防御による僅かな減衰によりダメージは361程度になるはずだ。

計算通りの結果となった。
続いて、属性およびクリティカル補正の検証。ステージは4-2-1。登場する敵全員が木属性だ。

フェンリルの通常攻撃値から逆算、ポップの防御力1271。
属性補正のみであれば連打ダメージは一打あたり502となる。

そうなった。
続いて属性+クリティカル補正の場合。
同じ敵で試行したかったが、一緒に連れて行ったメルポメネが自分ばかりにクリティカルバフをかけ続けるというコミュ障ぶりを見せつけ2ラウンド目にもつれこんでしまった。

Lv27マンティの防御力は1875。有利属性+クリティカルの補正値が3であれば一打あたりのダメージは634となるだろう。

ピッタリである。
通常攻撃同様、通常攻撃連打型のノーマルスキルも韓国版ダメージ計算式が使用可能だ。
フィーバー時のノーマルスキルダメージ
フィーバー時のダメージはノーマルスキルのものが参照されるが、そこからさらに特殊な補正がかかっているため別稿にて追加検証している。
結論
- 通常攻撃のダメージ計算式は以下の韓国版から変更なし。
(((総攻撃力×20×属性補正)/(敵防御力×0.4+500))+スキル表記ダメージ-装備無し攻撃力×20/500)×(1-敵防御力×0.005/100)
※敵防御力8000以下 - ノーマルスキルのダメージ計算式は韓国版から変更あり。二度目の減衰値乗算が削除されている模様。日本版でのダメージ計算式は以下の通り。
((スキル表記ダメージ×400+装備攻撃力×125)×(属性補正+クリティカル補正)/(敵防御力×0.15+400))
※敵防御力5000以下 - 通常攻撃連打型ノーマルスキルの計算式は以下の韓国版から変更なし。
(((総攻撃力×20×属性補正)/(敵防御力×0.4+500))+スキル表記ダメージ-装備無し攻撃力×20/500)×(1-敵防御力×0.005/100)×(属性補正とクリティカル補正)+追加ダメージ
あとがき
韓国版からダメージ計算式が変更になっているとは夢にも思わず、再確認程度の軽い気持ちで始めたのでノーマルスキルの検証で発狂しかけた。
二度目の防御減衰がなくなっているので、ダメージに対する防御力の影響が韓国版よりマイルドになっている。スキルのダメージ値が散々弱体化された割に、与ダメージがそれほど下がったように思えなかった理由がここにあった。条件が同じなら韓国版よりダメージを出しやすくなっている。なぜこんな変更を加えたのかはわからない。
ただ上記の検証はダメージ計算のごく一部で、あとはスライドスキルの検証、ドライブスキルの検証、高防御帯でのダメージ検証、各防御帯での追加ダメージ・防御無視ダメージの振る舞い方の調査などやりたいことは山のようにある。
これは私のささやかな望みだが、属性や防御力を自由に変更でき途中でチャイルドの入れ替えも可能なトレーニングモードを一刻も早く実装してほしい。