アークナイツ。
明日方舟というタイトルで中国本土でリリースされ、パキった人気とバグった売り上げで一気にその名を馳せたタワーディフェンスゲームである。
日本版も1月16日リリースということで気になっている方も多いことだろう。
アークナイツとはいかなるゲームなのか。私が本作のどこに魅力を感じ、また、プレイ中どんな感情に支配されているのかを本稿にまとめる。
※本記事はアークナイツ(中国版)のインプレッションであり、日本版とは画面表記や仕様が一部異なる。また、内容にネタバレが含まれるので閲覧注意。
アークナイツの世界観

莫大なエネルギーの源でありながら、不治の病「鉱石病」の病原でもある未知の鉱石「源石(オリジニウム)」。これを軸に物語は展開される。
プレイヤーは「ロドス・アイランド」という製薬会社に所属する記憶喪失のドクターとして物語に参加する。ロドスとは「感染者に関わるあらゆる問題の解決」を目的とする組織だ。
感染者に関わるあらゆる問題の解決、これは病の治療だけを意味しない。過激化した感染者集団【レユニオン】がもたらす闘争や混乱への武力介入も含まれるのだ。

ロドスの戦場指揮官として、プレイヤーは感染者との闘いに身を投じる。ロドスの目的も、自身の正体すらもわからぬまま。
というのが本作の世界観および導入の概要だ。
高い戦略性と懐の深さを兼ね備えたバトル

アークナイツのジャンルはタワーディフェンス、いわゆる防衛系ゲームの類だ。
内容は、定められたマップにユニットを配置し、通りがかる敵ユニットが目的地に到達するのを妨害しつづけるというもの。
やってることは歌舞伎町のキャッチとさほど変わらない。

ユニットには星1から星6までのレア度があり、基本的に高レアキャラほど強い。しかし攻略に必須かといえば全然そんなことはない。
星5、星6キャラがいればもちろん楽にはなるが、腕と知識でどうとでもカバーできてしまうのだ。私が本作の難易度を「懐が深い」と評した理由である。

たとえば、日本版リリース時の最終&最高難易度のステージとなるであろう「4-10」も、

こんな半端育成の低レア編成でクリアできちゃうわけだ。

こんな低レア編成でクリアできちゃうわけだ。

こんな低レア編成でクリ

戦場を知り、敵を知る
もちろん一筋縄ではいかない。ステージの難易度は全体的に高めで、苦戦することもある。低レア編成で挑むのであればなおさらだ。
挑戦の気概はすばらしい。しかし、勝てないイラ立ちにまかせて、むやみに敗戦を重ねたり直情的にキャラ育成にリソースをつぎ込むのはおすすめしない。
なぜなら、このゲームの育成コストはかなり重い。無計画に使うとすぐに枯渇する。キャラ強化に走りたい気持ちをぐっとこらえ、いったん落ち着いてマップおよび敵ユニット情報を確認してみよう。
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たとえ敗北しても遭遇さえしていれば敵ユニット情報は更新される。タップすれば、おおまかなステータスを見ることもできる。これを利用すれば、

魔界の養蜂家のババアみたいなやつの物理防御が低いということや、

このカチカチ豚クソ防御ダルマが術攻撃に弱いということもわかる。

もちろんボスユニットも例外ではない。この通り、ボスの使用スキルまで確認できる。
たとえばこの4-10のボス「霜星」は周囲に大量の術ダメージをまき散らしながら地面を凍結させ、凍結位置にいるユニットを即死させるらしい。なるほどね。
これがあるおかげで、味方が突然死してもまるで動じない。冷静そのもの。範囲術ダメージに即死バラ撒きとかテメー、よくもそんな治安の悪いスキル持ってこれますわねモラルがメキシコ産でいらっしゃるの? と思ったぐらい。
いかに強力なボスでも、インチキのタネが割れれば恐るるに足りず。周囲に即死凍結攻撃をばら撒くとわかっていれば、壁キャラ以外距離を取って安全に処理するだけ。はい勝ち。余裕。負ける要素なし。対ありでした。

おい2体ピンポイントは犯罪だろ!!

ざッッけんなこの
フレンドとの協力、君はひとりじゃない

敵軍の情報を頭に入れてもまだ苦戦する場合は、フレンドからサポートユニットを借りよう。拝借したユニットは自軍の味方として運用できる。

サポートに設定する前に性能を確認できる
フレンドがいなくとも野良からユニットを借りることも可能だ。使えるスキルが制限されたりするが、星6ユニットを味方にできるのは心強い。

とはいえフレンドに頼りきりも考えもの。
星6の強キャラパワーがあれば、どんなステージもだいたいクリアできちゃうだろう。しかしそれではタワーディフェンスの醍醐味というものが薄れてしまう。
ともすればアークナイツの楽しみをスポイルしかねない。サポートユニットを使うのは、どうしても先に進みたいときか「コイツは絶対許さねえ」と思ったときだけにしておこう。

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ゲームを彩る超豪華声優陣!
うるせえ後にしろ。
豊富な育成要素
レベルは攻防に影響大

レベルを上げる主な目的はステータスの向上だ。
ステータスの影響がよくわからないといって軽んじてはいけない。レベルはあらゆる育成の基礎であり、攻略においても重要なファクターとなる。
ここで少しアークナイツのダメージ計算について話そう。
アークナイツのダメージ計算は非常にシンプルで、物理攻撃なら「攻撃力-防御力」、術攻撃なら「攻撃力×(相手の術耐性/100)」で算出される。
つまり攻防のステータスがダイレクトにダメージに繋がるわけだ。

ダメージには最低保証があるが微々たるものだ。
特に物理攻撃は、相手の防御力を上回れないとゴミのようなダメージしか出ない。レユニオンのカスどもをわからせるため、ある程度のレベル上げは必須となる。
スキルレベルは上げすぎ注意

キャラの持つ戦闘用のアクティブスキルは、スキルレベルを上げることで強化できる。
強化、と一口にいってもその内容は多岐に渡る。威力が上がるのはもちろん、対象数が増えたり、再使用までの時間が短縮されたりとさまざまだ。
とはいえ、欲望のままにスキルレベルを上げるのはおすすめしない。
スキルレベル上昇には後述の昇進と共通の素材を使用する。そしてキャラの強化効率という観点からいえば、昇進がはるかに勝るのだ。
むやみにスキルレベルを上げたせいで昇進ができない、となっては本末転倒。上げるにしても、はじめはスキルレベル4で止めておくのがよい。

スキルポイントは戦闘中の行動で増加する。
なぜ4か? 多くのスキルはレベル4で発動に必要なスキルポイントが減少するからだ。威力だけでなく回転率も上がるので、レユニオンどもをブチのめしやすくなる。一石二鳥だ。
昇進でキャラ性能は飛躍する

昇進(中国版では精英化)、いわゆるソシャゲ一般における「進化」に相当する育成要素だ。
レベル上限の解放、攻撃範囲の拡張、新たなスキルの習得、パッシブスキル(固有)の獲得などなど、これらがすべて昇進で得られる。

最大まで昇進するとビジュアルも一新される。
見ての通り強化効率はピカイチ。昇進前後で別物といえるほど戦力の上がるキャラも存在するが、そのぶん要求されるリソースコストはゲーム内屈指。
負けた腹いせに複数キャラを同時昇進なんてすると、物資と資金が”瞬”で底をつくので注意しよう。

ただ今回のこれは浪費ではなく表現だから。大丈夫だから。
「勝ちたい」って気持ちがたまたまこういう形になっただけ。書き初めとかと同じ。これであのマグナムインチキ冷え性ウサギの人生をミュートできるなら実質黒字だから。

あのすいませんあの

ちょっと、ほんとに

ゲームを彩る超豪華声優陣!!
好きな声優で編成を組めちゃうゾ!
リリース時点で80キャラ以上を擁するアークナイツ、参加声優も相応に多くさらにとても豪華。キャラの強さも大事だが、それがすべてじゃないよネ。
豪華声優が彩る魅力的なキャラクターを少しだけ性能度外視でご紹介しちゃいます♪
シージ

シージを演じるのは押しも押されぬ人気声優、川澄綾子氏。聖剣振るう騎士王として名の知れた彼女が、アークナイツに堂々のエントリー!
エクスカリバーをスレッジハンマーに持ち替え、コスト稼ぎから範囲殲滅まで、なんでもござれの獅子奮迅でレユニオンは根絶やしにされる。
シルバーアッシュ

小西克幸の声で喋る銀髪長身ネコミミ黒手袋鷹匠とかいう色気の薬事法違反。
美少女の多い本作だが、そのぶん男性キャラに込められた性癖は一撃必殺。なかでもシルバーアッシュはその筆頭格!
その大量破壊兵器ぶりはゲーム内性能にも反映されており、剣を抜いたが最後、レユニオンは根絶やしにされる。
ホシグマ

木村夏樹や天宮エレナなど、頼れるお姉さんキャラを代表作に持つ安野希世乃氏がホシグマ役として登場。
刃を通さぬ鉄の姉御肌は堅牢無比なだけでなく、時に攻撃にも転じ、レユニオンを根絶やしにする。
いかがでしたか?? 他にもとっても魅力的な声優さんがキャラクターに魂を吹き込んでます!
キャラ数も多いので、たとえばこんな風に……

お気に入り声優のキャラだけの編成を作ることもできちゃいます!
(趣味全開で恥ずかしいよ~>_<)
上の編成は性能やキャラバランスをまるでまったくいっさい考えず心を仮死状態にして組んだものですが、愛さえあれば高難易度ステージだってクリアできちゃうかもですね!!!!!





所感
低レア編成クリアの動画をマネしてうまぶろうとしたら座礁した。
本作の名誉のために言っておくと、星4以下編成で4-10クリアは可能だ。実際に達成している動画は探せばすぐに見つかる。
懐が深い、というのはウソではない。ただ今回は私の度量が狭かった。最終的にブチギレ星6ブルドーザーを発進させてしまったのは申し訳ない。だって許せなかったから……。
さておき、タワーディフェンスをあまり得意としない私が、ちょうどムキになれる難易度なのはよかった。敗北のストレスと勝利のカタルシス、この交互浴が妙な中毒性を生んでいる。
負けても冷静に「はいなるほどわかりました全て理解しました殺す」となれるので、苦戦しながらも延々とやってしまう魅力がある。
ちなみに私は中国語がわからない。ネットゲームで中国人と触れ合う機会はないでもなかったが、知ってる語句は「ni hao」と「cao ni ma」のみという、ホイミとザラキだけ覚えたような状態でサバイブしてきた人間だ。
だから各所でいわれているような「重厚な世界観」や「引き込まれるストーリー」は、よくわからない。それでも中国版リリースから今の今まで続けてきたことは、本作の魅力、その一側面の証明になるだろう。
世間一般の評価では、タワーディフェンス部分は常凡だがストーリーに面白さの核心があるらしい。朗報だ。メインディッシュが手つかずで残っていることになる。日本版ではそちらも堪能するとしよう。