【デスティニーチャイルド】木属性ビフォーアフター

木属性強化内容一覧

守護神コウガ

修正前修正後

所感

正月に着物に日本刀に花澤香菜という、ビジュアル面で破格の待遇を受けながらもいまいちピントのズレたスキルセットにより活躍の場を見出されなかった守護神コウガ。今回めでたく強化対象に抜擢された。

ノーマルスキルは基礎ダメージが上昇しただけでなく追加ダメージの増量、加えて対水属性への防御無視ダメージを手に入れた。追加ダメージの対象が凍結または石化時のみという条件は据え置きとなってしまったが、テトリスの使いにくいブロックみたいな恰好でこちらを見てくるサンタに耐えられれば、クランプスを凌駕するフィーバーディーラーとして振る舞うことも可能だろう。

一方でスライドスキルだが、こちらも追加ダメージの大幅な増量とHP吸収が追加されたものの、肝心の攻撃対象が”攻撃型”のままだ。”水属性の攻撃型”への狙撃能力が付与されエリシオン絶対殺すマシーンの爆誕を期待したが、やってきたのはエリシオン絶対殺すとは限らないマシーンだ。

純粋強化には違いないが、少し肩透かしを食った感じがする。

ミダス

修正前修正後

所感

唯一の取り柄であり無二の強みであった弱点防御をボコクソに弱体化され、ジュピターどころか★4のペルセポネにすら席を奪われた悲しき緑のスネ夫。罪滅ぼしと言わんばかりに弱点防御の減少値が大幅に強化された。

うん。

そうなるだろうと思っていたので、大きくうなずく以外のリアクションを持たない。弱点防御の強化により、躊躇なくレイドやワールドボスに持っていけるキャラとなった。ワールドボスで高ダメージを狙う際には出番が激増するだろう。地味にスライドスキルも水属性優先になったが、そもそも水属性ワールドボス向けのキャラなのでそこは別に。うん。

ヘラ

修正前修正後

所感

強化対象に選抜されただけでなく、進化ロードの報酬になったり、告知画像でやたらとセンターを陣取っては我々に銃口を向けてきたヘラ。その張り巡らされた伏線、いざや収穫の時と言わんばかりの強化がなされた。

スキルダメージ防御は割合防御に変更され、持続時間および防御回数も増加。さらに事前情報どおり中毒ダメ―ジ軽減効果も付与され、現状中毒デバフに真っ向から抗しうる唯一のタンカーへと変貌を遂げた。ドライブスキルによって付与される吸血効果も二倍となり、中毒デバフが脅威となる敵への有効な選択肢となった。

ヘラについては、充分な強化を施されたという印象だ。彼女一人で戦局をどうこうできるわけではないが、可能性の広がりは感じる。これまでを考えれば破格の待遇だ。心から祝福する。おめでとう。銃を下ろしてくれ。

セイレーン

修正前修正後

所感

さて今回の台風の目。「ダビのあたらしい家来なの!?」がマジで冗談になっていない、弱キャラ山脈にそびえたつ不憫・サミットの一峰、セイレーン。気になる彼女のスキル修正内容は、

ノーマルスキルの吸血効果を固定値から割合へ!
スライドを水属性優先へ変更、さらに二回攻撃から三回攻撃へ!
でもダメージは下げまーす!

あのですね。

強化内容自体はそうなるだろうなと思った。しかしスライドスキルのダメージを下げるとはどういう了見だ。修正前のダメージ量でもやや弱いなと思っていたところをさらにえぐるか。自己バフ持ちのフレイが135%倍率のスライドスキルを持っていることを社内の誰も指摘しなかったのか。指摘できなかったのか。どれだけ風通しの悪い職場だ。風呂場か。

今後しばらくこの状態から修正が来ないというのがさらなる絶望を誘う。不憫・サミットは未踏のまま、スポットもあたらぬ暗闇の中、セイレーンはひとりデスゾーンで無聊をかこつのだろう。

エポナ

修正前修正後

所感

風向きが怪しくなってきたところでやってきたトレジャーハンター、エポナ。事前告知からはどのような修正がなされるのか皆目見当もつかず、もしや今回のオーバーホール枠かと目された彼女。

付与されるバリア量からヤケクソ修正の匂いを感じたものの、縁の下の力持ちという基本コンセプトは変わらず、いれば便利かなというポジションを崩すまでには至らなかった。無凸状態で+1800というバリア量はおそらく全キャラ中最大だ。なにかロマンを感じはする。今後、バリアに追加ブーストをかけるようなキャラが現れた場合にスポットがあたるかもしれない。

吸血量も見直され、実用的な数値となった。これでもうエウロペに後れを取ることはないだろうが、そもそも★4に後れを取るな。ノーマルスキルの防御バフも単体付与から2体付与へと強化、さらにデバフ回避率も追加されたが、持続時間が15秒から10秒へと下方修正されている。見逃さないよ、そういうの。

4/17追記:すいませんでした。

【デスティニーチャイルド】エポナの可能性

2018.04.16

アバドン

修正前修正後

所感

相棒ともいうべきセイレーンが弱キャラの霊峰から下山できずにいる今、木属性不憫アタッカーというパンドラの箱に唯一残された希望、アバドン

スライドの対象が3体に増やされダメージも据え置き。吸血効果は割合から固定値へと変更されたが、吸血量がやたら多く生存率はむしろ強化された形になった。しかしこれだけではセイレーンと同様、あと一歩足りない。クランプスに対抗できるとはとても思えない。そこですがりつく蜘蛛の糸はドライブスキルによる自己強化だ。

アバドン単体だけが強化されてもな、と思ったが、その強化幅がぶち壊れていれば検討の余地は充分ある。一定時間だけフルバーストできるアタッカーというのもキャラに合っているし、コンセプトとして面白いと思いきや、ドライブスキルで付与されるのは2ターンの間スキルチャージ速度50%アップという効果のみ。

パーティメンバーが数ターンかけて溜めたドライブゲージを消費して、得られるのがコウガ以下の加速効果とは。そこに何の違和感もなかったのか。おかしいと思わなかったのか。悟空が作った元気玉を「サンキューみんな!」つって持って帰ったら、ナメック星はどうなってたか言ってみなさいよあなた。

もう何も語るまい。セイレーンセイレーンであったように、彼もまたアバドンであった。

マンモン

修正前修正後

所感

毎度オチのように使って申し訳ないと思うがマンモン、彼も強化選抜の一員である。

彼のスキルセット自体をそこまで弱いと思ったことはなく、他の挑発タンカーと並べても遜色ないという認識だった。弄るとしてもどう弄るのか。私のような素人ではバフの上昇値を引き上げるぐらいしか思いつかなかったが、どうやらデスティニーチャイルド運営もそうだったらしい。

歓迎すべき純粋強化だし、マンモンを使用していたプレイヤーからすればグッドニュースなのは間違いない。が、今このタイミングでなくともよかった。今回の木属性強化に私が望んだのは、凝り固まった世界を革命するなにかで、こういった微強化ではない。フレンチのフルコースを期待して来て、五皿目にごろごろ煮込みチキンカレー出されても困る。いや好きだけどさ。よりおいしくなったかもしれないけどさ。

今回は他の皿に乗っているものもビビン丼だったり牛皿だったり七味だったりしたので、相対的に旨い方に分類されてしまうのも悲しい。

番外:ブラウニー

こんな形で出会いたくなかった。

所感

木属性強化とは無関係だが、おそらく今回一番の問題児となったブラウニー。

日本版でノーマルスキルはチャージ速度加速からチャージゲージ充填へ変更され、スライドスキルは効果量を全体的に引き下げられた。ここまではいい。来日の際の下方修正は予想できていた。しかしスライドスキルの付与対象を木属性のみとしたのは何事だ。

コウガよりも加速効率はやや劣るものの、アタッカーへの加速と、中毒・出血のケアを同時に行えるのが強みだった。PvEのコウガ、PvPのブラウニーという棲み分けも、それで出来ていたはずだ。なぜワールドボスのブーストチャイルドにしたのか。なぜ中途半端にコウガに寄せるような調整を施したのだ。案の定「劣化コウガ」という評価を受けてしまった。

とはいえ、スキルを弱くされたというのが問題の核心ではない。

韓国版を知っていれば音に聞き、目にも見ていた彼女の無双ぶり、それこそが木属性最後の希望だった。オルガに止められても、モアに固められても、エリシオンに嬲られても、ブラウニーが来れば、ブラウニーが来さえすればと、ベジータ戦のクリリンのような心境で待ちわびていたのだ。しかしやってきたのは獰猛さの欠片もない、前歯の抜けたハムスターだ。

ブラウニーの訪れが木属性怒りの日となるはずだった。終末のラッパが鳴り響き、黙示録が現実のものとなることを期待されたが、そうはならなかった。木属性の救世主となる”選ばれし者”ブラウニー本人が、皮肉にも木属性の希望を断つ存在となってしまった。スピルバーグがメガホンを取ったのかと思うような展開だ。ただし、ダークサイドに堕ちたのはプレイヤーの方だが。

まとめ

木属性の強化自体は非常に慎重に、丁寧になされたという印象がある。思い付きだけで実行したような荒唐無稽な強化や変更はなく、現在のバランスを大きく崩さないように、それでいて少しでも使用率が上がるようにと配慮した形跡が見られる。そのため、大きく予想を超えるスキル修正は一つもなかった。

それが残念だ。

木属性の強化が発表された時はときめいた。新たな可能性の萌芽を楽しみにした。スキル内容をあれこれ予想したりもしたが、こんなものひとつも当たってくれるなと思っていた。全員ぶっ壊れてもいい、パワーバランスがひっくり返っても構わない。私はとにかくむちゃくちゃにされることを望んだ。ゴルゴに抱かれる女のような気持ちだ。バーバラだ。アタイは赤毛のバーバラだった。

しかし、やってきたのは常識的な変更と良心的な数値の上昇のみだった。

私が一人称を変えてまで望んだのは世界の変革だ。有無を言わせぬ大混乱だ。だがこのプレイヤーの顔色をうかがったようなぬるい調整はなんだ。もっと過剰でいい。もっと蹂躙していい。いったい誰に遠慮してるのだ。ゴルゴが「電気消そうか?」と聞くか? 「痛い?」と聞くか?

吸血だって仕様から変えてしまってよかった。”抗体ができるので血を吸った相手からのデバフは一切効かなくなる”とかでもよかった。バランス崩壊による炎上を恐れた結果、迎えたのは木属性の熱的死だ。

歪さは娯楽にとって罪ではない、つまらないことが罪なのだ。バランスの一切を放棄したクソゲーでも、多くの人に愛されうることはアーケード版北斗の拳が証明している。ネガティブでもポジティブでも、人には起伏を楽しむ器官が備わっている。凪はいけない。凪が呼ぶのは死と停滞だ。

今回の修正は、この一件のみならず、今後のテコ入れにさして期待できないという印象を与えてしまった。なんとか持ち直してほしい。