今回のRAGNA BREAKの目玉報酬であり新デバフ”水風船”を持つ現在唯一のキャラ、イゾルデ。韓国版ではデビルランブルで大暴れした彼女、スキルを大幅に変更された日本版でもその威力は果たして健在なんだろうか。
イゾルデ基本情報
ステータス＆スキル
デバフ”水風船”とは
スキル説明文からもわかる通りディレイのある沈黙のようなデバフだ。デバフ判定は水風船付与時点のみで、水風船が付与されてしまえば破裂時のゲージ初期化は確定する（たぶん）。
ただし、スライドクールタイムカウント中に破裂しても効果はない。フィーバータイム中に破裂すると殴りを1打分だけ阻害する。破裂カウントは出血ダメージでは減少しなかった。この辺は石化のカウントと似たような仕様だと思われる。
デビルランブルでの水風船の可能性
まず感じたのは「沈黙の下位互換」ということ。
即時性もなく付与後のスキル封印もない。韓国版では沈黙付与キャラだったのに、また妙なメイクを施されたものだと。ゲージ初期化部分にだけ目を向けたらそういう感想になった。が、少し椅子を引いて眺めてみると、どうもその評価は正しくないのではという気持ちになってきた。
水風船デバフの優れている点を挙げてみる。
- 基礎成功確率が高い
石化や沈黙は個別に基礎成功率が設定されているが、水風船にはそれがない。沈黙のように対策カルタも存在しない。出血や中毒と同様、よほど機敏性が低いとかでない限り、まず成功すると思われる。 - 発生する追加ダメージが高い
これはバカみたいに高いといっていい。スキル説明文に書かれているダメージがそのまま発生する。発生回数と発生条件の制限が中毒よりキツいので当然といえば当然だが、水風船付与対象を的確に追撃できる環境を構築できれば、瞬間DPSは中毒をはるかに上回る。
ゲージ初期化のタイミングを計りにくいという部分以外、デバフとしてのスペックはかなり高いのだ。あとは破裂タイミングの調整だ。この弱点を補えるようなキャラがいれば、具体的に言えば、水風船が破裂するまでゲージ状況を停止することができて、なおかつ付与対象が水風船と全く同じデバフを持つキャラがいれば弱点を克服することができる。
いるのだろうか。はたしてそんなキャラが。
モア（石化）とのシナジー
いました。
石化デバフは、付与対象を10秒間行動不能にするがゲージの初期化が行われず、また石化自体も被弾で解除されるという、被弾で起動する水風船とは逆の性質を持っている。
石化中、それまでにチャージされたスキルゲージはそのまま保存されるが、その上から沈黙や気絶を重ねられるとゲージは初期化される。それがモア＆オルガデッキの強みのひとつでもあったのだが、イゾルデならそれと全く同じ状況を、しかもオルガよりも的確に発生させることができる。
キャラ実装時のインプレッション記事でもちらっと触れたが、石化と水風船は非常に相性が良いのだ。これはひょっとするとひょっとするのではないかと思い、急ごしらえで次のようなデッキを組んでみた。
石化風船デッキ
モアとイゾルデを軸にしたデバフ主体デッキだ。Nモナとコウガでモア・イゾルデを加速させ、石化と水風船を矢継ぎ早に叩き込む。エポナはなんとなく保険で入れている。このデッキでシルバー帯を40戦ほど泳いでみた感想は以下の通り。
ヤバいかもしれない。
ゲージ初期化と減速デバフがいったん決まってしまうと、相手のゲージがたまりきる前にもう一度こちらにターンが回ってくる。そこでもう一度風船と石化を付与し、せっかく溜まったゲージを再度初期化……つまり石化風船のコンボがループするのだ。
やってて申し訳なるぐらいえげつない。エリシオンを相手にしているはずなのに、一度も中毒を付与されず勝負がついたときは変な震えがきた。完封できるかは運しだいのところもあるが、そうでなくとも相手ディーラーはほとんど動けないまま終わる。
必然、ドライブゲージもこちらの方が早く溜まる。石化風船に加えコウガのドライブでも撃っておけばほとんど勝利は盤石だ。殺しきれなかったとしても、相手がドライブを二回撃つ頃にはフィーバータイムに入れる。
火力の低さだけが唯一の欠点といっていい。水風船の追加ダメージがあるので、そこまで極端に殺せないというわけでもないが、それでも充分とは言えない。ダブル加速型の石化風船デッキでは一枠融通が利くので、いろいろな派生が考えられる。
その他コンテンツでの評価
デビルランブルでの可能性は大いに感じるが、そのほかのコンテンツではどうだろう。
RAGNA BREAK
まるで出番がない、という言い方をしてしまうと気の毒だが、控えめにいってオルガと同じぐらい出番がない。基本的にRAGNA BREAKではめちゃくちゃ殴りが強いキャラか、めちゃくちゃ殴りを強くさせられるキャラ以外に居場所がないのだ。
ワールドボス
水属性ディーラーの手持ちにもよるが、そこそこ出番があるのではないかと思う。水風船のゲージ初期化は無効にされてしまうだろうが、追加ダメージ部分でスコアに貢献ができる。水ディーラーがいなさすぎて、仕方なくオルガを入れている私のようなプレイヤーにとっては非常にありがたい存在だ。
アンダーグラウンド極
クロセル戦ではおそらく出番はない。追加ダメージ目当てで道中起用があるかどうかというレベルだ。イゾルデじゃないと打開できない、という場面はほとんどないだろう。
おわりに
非常に面白いキャラを実装してくれた。
単体ではそうでもないが、モアと組んだときのディーラー封殺具合は目を見張るものがある。私はダブル加速でのディーラー完封型を試したが、ランフェイと組ませてドライブを完封したり、オルガを突っ込んで相手の血圧を上げてもいい。とにかくいろんなストレスデッキの可能性を感じる。
しかしこれを素直に喜んでいいものか。イゾルデ編成が流行するときは、イゾルデがオルガ以上のストレスコンボを持っていると証明されたときだ。
RAGNA BREAKが始まる前までは「イゾルデが沈黙持ちなら沈黙メタが実装されるに違いない！」などとキャッキャ言ってたが、ふたを開けてみればストレスを詰め込んだ風船を持った水着のペニー・ワイズがこっちを見て手を振っている。
そいつが見えてしまったら、終わりなのかもしれない。
