ビリーの攻略記事で少しだけ触れた、★4木属性コレーにだけある妙な「強み」について検証を行う。パワーバランスを根底から覆すほどたいそうなものではないが、知っておくと少しだけ得をするかもしれない知識として共有する。
コレーの表記外ダメージ検証:使用キャラと検証項目
使用キャラ
今回の検証に使用するコレーは完凸★6レベル&スキルマックス。装備はいっさいつけない状態で使用する。
検証項目
- コレーのスライドに付加された「表記外ダメージ」の効果量
- 表記外ダメージは属性の影響を受けて増減するか
- 表記外ダメージは敵防御の影響を受けて増減するか
- 表記外ダメージは攻撃力上昇やその他バフの影響を受けて増減するか
- 表記外ダメージはスキルレベルで増減するか
コレーの表記外ダメージ検証:効果量と性質
表記外ダメージの存在
「表記外ダメージ」というとわかりにくいが、要するに「スキル説明文に表記されていない謎の追加ダメージ」を指してこのように呼称している。
これの正体を探る前にまず「表記外ダメージ」の存在をどのようにして確認したか、について説明する。
画像は等倍属性の敵にコレーがノーマルスキルを放った際のダメージだ。相手が水属性ではないので、スキルに表記された「391の追加ダメージ」は発生していない。
続いて、同じ敵にスライドスキルを撃った場合のダメージを見てみよう。
コレーのスライドは「ノーマルスキル連打型」である。ノーマルスキル連打型のスライドスキルは、ノーマルスキルと同じダメージ計算式が適用される、という特徴がある。
つまり、スライドスキルで新たに追加ダメージが付与されない限り、スライドスキル一打あたりのダメージとノーマルスキル単発のダメージは同値となる。さて、実際のダメージはどうなったか。
わかるだろうか。ありえないことが起こっている。
コレーの追加ダメージはノーマル・スライドともに「水属性限定」だ。しかしなぜか、相手が水属性でもないのにダメージが460も増加している。いったいどこから持ってきた。スライドの時だけぬいぐるみに古釘詰めて殴ってんのか。
これがコレーの「表記外ダメージ」である。
表記外ダメージの特性
表記外ダメージの存在が確認できたところで、今度はその正体を探る。バフやデバフで増減するのか、それともしないのか。シチュエーションを変えて検証を行った。
また、以下に掲載するダメージ計測画像はすべて「左がノーマル」で「右がスライド」のダメージとなる。
表記外ダメージは敵防御・属性補正の影響を受けるか
画像は不利属性チョロンへのダメージ。ノーマルとスライドのダメージ差は変わらず「460」である。表記外ダメージは属性の補正を受けないと思われる。
念のため有利属性の敵も殴ってもらった。
ノーマルとスライドのダメージ差は「845」だが、水属性限定の追加ダメージ「385」を差し引くと、その差はやはり「460」。有利不利に関わらずやはり属性補正は受けていない。
さらにLv40ビリーへのダメージがこちら。
防御力が違うばかりか、戦場効果として「弱点スキルダメージ増加」がついているのにも関わらず、ノーマルとスライドの追加ダメージを覗いたダメージ差は「460」となった。表記外ダメージは、敵防御力と弱点スキルダメージ増加の影響も受けないことがわかる。
表記外ダメージは攻撃力上昇の影響を受けるか
装備で攻撃力を上昇させた状態でも比較。でもどうせ変わらないんでしょ。
ね。
クリティカル系バフの影響を受けるか
続いてパンテオンのクリティカルバフを付与した状態で比較を行った。結果は以下の通り。
数値の様子が非クリティカル時と変わった。実は、ここでも追加ダメージを除いた差は「460」となるのだが、すこし説明がややこしい。
追加ダメージは本来、クリティカル時でもダメージが増加しない。しかし、追加ダメージを含むノーマルスキルを「単発で使用」し、なおかつそれがクリティカルになった場合に限り、付帯する追加ダメージが2倍になるという仕様がある。
なので、上の画像ではノーマル使用時の最終ダメージに追加ダメージ分が「782(=391×2)」含まれていることになる。それらを除外すると、やはり両者のダメージ差は「460」なのだ。つまり、クリティカル補正およびクリティカルダメージアップバフの影響も受けていない。
表記外ダメージはスキルレベルで増減するか
最後に、スキルレベルを下げた状態で表記外ダメージが増減するかを調べた。完凸コレーを結縛解除で5凸にして、スキルレベルをランク6のレベル10まで落とした。
この状態だと、ノーマルで発生する追加ダメージは「349」スライドで発生する追加ダメージの合計は「700」である。さて、実測はどのようになったか。
ノーマルスキルダメージは「2863」、対してスライドスキルダメージは「3619」。それぞれに発生している追加ダメージを除くと、その差は「405」となる。どうやらこの表記外ダメージは、スキルレベルの変化で増減するらしい。
まとめ
- コレーがスライドを使用したときに限りスキル表記にないダメージ(表記外ダメージ)が発生する。
- 表記外ダメージは敵防御・属性補正・弱点スキルダメージ増加効果を受けて増減しない。
- 表記外ダメージはクリティカル補正・クリティカルダメージアップバフ・攻撃力上昇効果を受けて増減しない。
- 表記外ダメージの効果量はスキルレベルで増減する。
おわりに
この謎ダメージを見つけたのは偶然だった。
レイドやワールドボスが開催されるたび、ノーマル連打型ディーラーを使って防御力の算出を行っているのだが、その過程でたまたま見つかったものだ。
最初はダメージ計算式が間違っているのかと思ったが、ほかの同系統ディーラーと比較したところ、どうもコレーだけがおかしいぞということになり、今回の検証に至ったわけだ。
謎ダメージの存在は確認できたしその特性もある程度把握できた。しかし、正体がなんなのかはさっぱりわからない。なぜコレーだけ隠し追加ダメージのようなものを持っているのか、その理由について具体的なことは何ひとつ述べることはできないが、ひとつ、仮説は立てられる。
もしかしたらこれは「おま国の名残」なのではないだろうか。
デスチャ日本版がリリースされるとき、ごく一部を除くほとんどのキャラがスキルに大幅な下方修正を食らった。
リリース当時に物議を醸したこのスキル下方修正、これがすべて誰かの独断とは考えにくい。「おま国会議」のようなものが開かれ、誰をどの程度調整すべきかの話し合いが行われたのではないか。そこで、コレーのスキル調整について対立があったのではないだろうか。
そもそも韓国版でスライド3連打キャラだったコレーは、すでに攻撃回数の面で大きな弱体化がなされている。であればせめてスライドの追加ダメージは、少し多めの最大460でいいのではないかとする「コレーちゃんすこすこ派」と、コレーだけ特別扱いすべきではないとする「コレーちゃん非すこすこ派」との対立だ。
どのようなドラマがあったかは知らないが、とにかく「すこ派」は敗北し、コレーの調整は追加ダメージ391で決着した。私が見ているのは、そんな歴史の中に忘却されるはずだったおま国の残像なのではないか。
今となっては真相を知る由もない。ただ思うのは、スキル調整担当者にも葛藤があったのだろうなということと、そんな迷いの片鱗すら見えないレッドクロスの調整どうなってんだということだけだ。