「はじめから理想オプションを望むな。妥協せよ」
細工について、このようなアドバイスをよく見る。真理だ。その一方で、途方もなく難しい。
細工において必要なのは生半可な妥協ではない。鉄の妥協だ。本記事では、細工妥協の仕方と重要性について解説する。
はじめに:細工妥協への覚悟
細工はただの装備強化ではない。射幸心という、最古の獣との無慈悲な対決だ。
理想オプションを目指す途上、あなたが理性的な決断を下そうとする度に「せっかくここまできたのに」と蛇が囁く。耳を貸してはいけない。その先は浪費の沼だ。
深淵に沈まないための方法を以下で解説するが、まずは気持ちを強く持ってほしい。細工に必要なのは、妥協することを絶対に妥協しないという強い意志だ。
細工妥協フローチャート
- ワールドボス(WB)で使うキャラを見繕う
- WBディーラー以外の装備を見繕う
- WBディーラーの装備を見繕う
- WBディーラー以外の装備に細工
- ④で優秀なオプションが出たらディーラー装備に継承
- WBディーラー装備に細工
- レイド特化バッファー装備に細工
- 上記以外のコンテンツ装備に細工
細工の効率的な妥協を目指したフローチャートがこちら。なぜこの順になるのか、については以下で解説する。
コンテンツを妥協する
参加人数の多いコンテンツは妥協度が高い。4~5人に強い武器を与えるより、全員にそこそこの武器を持たせることが重要になるからだ。
現行の主なコンテンツを、細工妥協度の高い順に並べると以下のようになる。
- ワールドボス
- レイド
- デビルランブル
※レースチャレンジやアングラ極などの開催頻度の低いものは除外
妥協度が低いコンテンツほど、オプション吟味が重要になってしまう。吟味、妥協の対極にある言葉だ。最初からオプションを吟味なんかしてたら、細工石がいくらあっても足りやしない。
その点、ワールドボスはすばらしい。さまざまなロールの装備に細工するため、その他のコンテンツでも使いまわしが利く。また「20体分の装備が必要」という性質上、自ずと妥協意識も高まる。妥協力の育成にもってこいだ。
あなたが細工石に無限課金できるおうちの子じゃないのなら、ワールドボス用の装備から細工することをおすすめする。
妥協できるキャラを優先させる
コンテンツの妥協に成功したら、次はキャラの妥協だ。ここではワールドボスを例に取ろう。ワールドボスにおけるキャラの妥協度はどのようなものか。
ディーラー以外>ディーラー
このようなものである。
ディーラーの火力はスコアに直結する。良い装備に良いオプションをつけるほど、高いスコアが出てしまう。ハイスコアへの執着が妥協の妨げとなるのだ。
一方、ディーラー以外(主に補助型、妨害型)は細工で役割が大幅に強化されることがない。妥協にほとんど抵抗がない。見渡す限り妥協の海、妥協のエルドラドである。
- ディーラー以外の装備14~5着
- ディーラー向け装備5~6着
まずは上記を目安に細工を始めると良い。ただし、WBでデバフ型編成を組む場合、バートリーとナヴィはディーラー向け装備になるので注意しよう。
「バッファー装備の細工中にディーラー向けSランクオプションが出ちゃったらどうしよう…」そう心配する方もいるかもしれない。安心したまえ。出ない。
装備を妥協する
続いて装備の妥協。上述のキャラ妥協とも少し関連している。
誰しも、手持ちの装備を一軍と二軍に分けており、細工を施す場合は一軍から着手する。とりあえず最強装備を作りたいという気持ち、めちゃくちゃわかる。でもダメ。
一軍装備に手をつけたが最後「もうちょっと」「せめてBランク」そんな呪いがあなたを蝕み、妥協ラインのオプションを再付与で消しまくる。これが最悪だ。これを避けたいのだ。
細工は必ず二軍装備、使うけどディーラーにはちょっとな、というものから着手しよう。
一軍装備の細工方法
一軍装備に良オプションまみれにする方法は簡単だ。
二軍装備の細工中に出現した一軍級オプションを、継承によって一軍装備に集約させる。
これでよい。
さんざん二軍装備から着手せよ、と主張してきたのはすべてこのためだ。二軍装備での妥協が、そのまま一軍の吟味につながるのだ。継承で二軍装備に空いた穴は、また別の妥協オプションで埋めれば良い。
オプションを妥協する
ようやくオプションの話である。ここが最後のしめくくり、妥協の千秋楽だ。
ここで重要になるのが以下の2点。
- 吟味するのはオプション内容のみ
- 不要な細工はしない
①は「望む内容のオプションがついたら、効果のランクは一切気にしない」という意味だ。防具に「ダメージ追加減少効果」を望んだなら、付与されたのがEランクであっても妥協して次に進もう。再付与は後でもできる。いったんほかの装備に細工を施すことが最優先だ。
②はそのままの意味である。たとえばワールドボスの後列ディーラー、被弾機会の少ない彼らの防具に細工を施す必要はない。必要ないから行わない。シンプルで合理的である。
以上をふまえて、どのロールにどんな細工を施せばよいか書いていく。
回復型と防御型
細工不要。
もともと充分な耐久力を備えており、細工で役割が大幅に強化されるわけでもない連中だ。あえて細工を施す必要はない。
後の補助型&妨害型用に細工した装備のうち、なんか微妙だなと思ったやつを回しておけば充分だ。
補助型と妨害型
補助型と妨害型へ最低限つけておきたいオプションは以下の通り。ちなみに、中毒付与役もこのカテゴリに入る。
まず積んでおきたいのは、スライドスキルのダメージ底上げオプションだ。一発あたりの効果量は低くとも、全員で殴れば大きなダメージとなる。
ここで悩ましいのが「スライドダメージ◯%増加」が付いてしまった場合。有利属性ではない補助型・妨害型の一撃は非常に小さいため、最終ダメージ依存のオプションは効果が低くなる、が、うかつな再付与は禁物。
オプション効果量が7~10%だった場合は、再付与せずにディーラー装備へ継承させよう。CSからBランクの効果なので非常に貴重だ。
また、赤字になっていない細工オプションについては、ひとまずノータッチで良い。一通り細工し終わって、まだ細工石に余裕があったら狙ってもいいかな、程度である。
攻撃型
- スライドダメージ割合増加(武器2)
- スライドに防御無視追加(武器3)
- 攻撃増加系オプション全般(武器1/装飾1)
- 機敏性増加オプション全般(防具1/装飾1)
- クリティカル増加オプション全般(装飾1)
必要なオプションは少ないけれど、その分底抜けに深いディーラー装備。
これまでの細工で運良くディーラー向けオプションを複数引き当てていたら、継承で武器2つぐらい出来上がっていたりもするが、そうでない場合、かなりの忍耐が必要となる。
しかしここでも「とりあえずディーラー5~6体分の装備に細工する」ことを優先させよう。最初のひとりに熱くなって細工石が枯渇しましたは避けたい。
ただし、そこまでの妥協は必要ない。ここでイモ引いたら、何のために我慢してきたのかわからない。Cランク以上を狙って、心ゆくまでオプション吟味を繰り返そう。
狙うのは基本的にスライドダメージ増加系だが、良さげなノーマルダメージ増加オプションがついたらいったん保存をおすすめする。N運用ディーラー、またはレイドディーラー装備に使えるからだ。
細工の妥協に成功したら
オプションを少しずつ充実させる
ここまでのチャートで20体分の細工を終えたなら、だいたいコンテンツに対応できるだけの装備は揃っている。
チャートでは、この後レイド向けの装備細工に着手すべしとしたが、たぶんその必要もあんまりない。最適とはいかないまでも「これでいいか」と思える程度のものは揃っているはずだ。
その中で、どうしても欲張りたいオプションがあれば再厳選してもよい。しかし、その場合でも細工するのは二軍装備からにしよう。成功したら継承、失敗しても細工済み二軍装備が充実するだけだ。
直接は狙わずじわじわ外堀から埋めていく、これが細工石節約の真髄である。
連続再付与ボタンは押すな
押すな。
ここまでさんざん妥協を説いてきた人間が、今さらあんな外道ボタンの押下を奨励するわけはない。連続再付与は高ランクオプションをエサに、無数の実用的C以下オプションを闇に葬る悪魔のライオンシュレッダーだ。
あれを押していいのは、どうしようもなく破滅に身を委ねたいそんな夜だけだ。失うものは大きいが、行きずりの男に抱かれるよりは安上がりだろう。