“永远的7日之都”を吟味する

なんと呼べばよいのかわからない。無理やりこっちの常用漢字になおせば【永遠的7日之都】だろうか。Andoroid/iOS向けのゲームアプリだ。日本はおろか中国でもまだリリースされていない。これを吟味する。

ゲーム自体は俯瞰視点のMOBAライクなアクションゲームだが、そこはどうでもいい。私が惹かれたはそこではない。

ゲームに惹かれるキッカケは様々ある。イラストだったり全体の世界観や参加しているアーティストなど、とにかくなにかが琴線に触れたからだ。永远的7日之都、呼称がおぼつかないどころかゲームがそもそも本国ですらリリースされていないこのゲームを、それでも吟味しようと思ったキッカケは一つだ。

このゲームの”スタミナシステム”である。

永远的7日之都の見事なスタミナシステム

スタミナ、金色の林檎を食べたりエリクシールを飲んだ時に回復し、我々をゲームから遠ざけたり近づけたりするあれだ。ソシャゲプレイヤーにはなじみ深いシステムだが、永远的7日之都のスタミナシステムは見事の一言に尽きる。

通常3分か長くて10分程度でひとつ回復するスタミナだが、永远的7日之都では違う。7日だ。7分ではなく7日だ。ゲーム内時間ではなく実時間でだ。誇張ではなく、168時間経つまでスタミナが一切回復しないのだ。たとえば一日でスタミナを使い切ったら残り六日はなにも行動することができない。ダイソーのバイトだってもうちょっと働く。
※マルチプレイや対人コンテンツはプレイできるようだ。

スタミナは様々なことに使われる。設備を拡張したり、敵基地を占領したり、ダンジョンに潜ったりすることで消費していく。そうして使い切ったスタミナは7日目に全回復するのだが、その時にゲーム内で何が起こるか。

都市に強大な敵が現れるのだ。

敵は主人公とその都市を破壊しつくそうとする。当然主人公はそれを阻止せねばならない。はじめに与えられたスタミナで強化された都市と仲間で立ち向かうのだが、その敵は一週間やそこらプレイした程度で勝てるようなものではない。勝ち目のない戦いに主人公は敗れ、敵が都市を破壊しつくした時、ゲームは終わり、“初日”に巻き戻る

敵がやってくる一週間前まで時間が巻き戻るのだ。死んだはずの仲間や破壊された都市も元通りになるがそれだけではない。ガチャで獲得したアイテムやスタミナを使って強化したキャラクターも維持されている。いわゆる、強くてニューゲーム状態で時間だけが戻るのだ。巻き戻ったことを主人公(プレイヤー)だけが覚えている。そして回復したスタミナを使って新たな強化を始める、次は敵に勝てるようにと。

察しの良い方は気づくだろう。ひぐらしだとかシュタゲだとかリゼロだとか、いわゆるそういうものだ。それらをテーマとしたソーシャルゲーム自体はおそらく既にあるだろう。しかし、システムとここまで見事に融和しているものを私は知らない。ループものの肝である”あの時ああしておけば感“を、スタミナを極端に制限することで実現させたゲームを私は知らない。

そんなゲームは存在しない体で書いているが、もし本当に既にあったらそれはごめん。でもそれは黙ってて。ここまで情感たっぷりに書いてるのが完全にダサくなるので、たとえ知ってても言わないで。それだけは本当にお願いします。

なぜかストーリーがわかる

魅力といっていいのか、とにかくもう一つ引っかかった点が表題の件だ。そもそも中国でリリース予定のアプリなのでゲーム内テキストは全て簡体字である。学のない私にわかるはずもない。しかしストーリーだけはなぜかわかる。これはおそらく私だけではない。説明するより実際に見てもらった方が早いだろう。
以下の動画は先日行われたクローズドベータテストの様子だ。

安心してほしい。あなたの言語野はいたって正常だ。釘宮病ステージ4の症状というわけでもない。字幕やUIは簡体字なのに、聞こえてくるのは完全に日本語だ。日本語ローカライズが選択できるということではない。CVがそもそも日本人声優なのだ。公式でCV発表動画もあがっている。
そもそもチュートリアルで破壊されてる都市も露骨に東京タワーがあるし、日本展開を視野に入れるというレベルではない。足立区のチンピラばりのガン見だ。

動画でもわかる通りゲーム自体も非常にリッチな作りで魅力的だ。しかしそれ以上に、なにかある、なにか起こしてくれそうな期待感がこのゲームにはある。

しばらく吟味を続けてみようと思う。