【デスチャ】貫通ディーラーの仕様と得意分野

本記事では、連打ディーラー、%ディーラーに続く新機軸「貫通ディーラー」の可能性と得意分野について探る。ついでに、貫通バフの仕様についても少し解説しているので、急に貫通ってなんだよという方は参考にどうぞ。

検証に使用したキャラのステータスや、検証過程の実測ダメージも掲載しているが、見なくても問題ない。また、検証に使用したレイドボスはすべて自発のものである。

貫通バフの仕様

貫通バフの仕様
  • 貫通バフはバフ所持者が攻撃する際に敵の防御力を減少させる働きを持つ
  • 貫通バフによる防御力の減少割合はスキル説明文の表記と同じ
  • 貫通バフの効果は、防御力バフ/デバフの計算が行われた後に適用される
  • 防御無視ダメージの算出には貫通適用後の防御力が使われる

貫通バフは敵の防御力を無視する

貫通バフは、貫通効果の分だけ敵の防御力を削る、という非常にシンプルな効果を持つ。平たくいうと「貫通バフを持ってるキャラが殴る時だけ敵の防御力が減る」のである。

貫通50%なら、敵の防御力を半分にした状態で殴る。仮に、貫通100%であれば、敵の防御力をゼロにした状態で殴れるわけだ。また、当然ながら、貫通バフによる防御力割引を受けられるのは、貫通バフを所持しているキャラだけだ。

スキル防御系バフに対しては無力

ノーマルスキル防御やスライドスキル防御など、いわゆるスキル防御系のバフに対しては貫通効果が適用されない。適用されないというより、これらは似てるようでまったく別種のものだ。ステータスとしての防御力と、バフで得るスキル防御効果はそもそもの防御機構が異なるので混同してはいけない。

貫通バフはバフとデバフの計算後に適用される

貫通バフは、防御力バフ/デバフの計算が終わった後の、最終的な防御力に対して適用される。たとえば、防御力5000の敵が防御力バフで防御力10000になったとする。貫通バフが効果を発揮するのは、この防御力10000に対してだ。つまり、敵の防御力がゼロでもない限り、常に効果を発揮する。

防御無視ダメージは貫通後の防御力で計算される

敵の防御力に応じて実効ダメージが変化する「防御無視ダメージ」だが、これも貫通の影響を受ける。つまり、貫通バフで減少した後の防御力を参照して防御無視ダメージが算出されるのだ。

簡単にいうと、貫通バフを持った状態で防御無視ダメージつきのスキルを使うと防御無視ダメージの威力が落ちる。とはいえ、防御無視ダメージの威力減衰よりも貫通によるスキルダメージ増加の方がはるかに効果が高いので、気にするほどでもない。

貫通バフの効果検証

検証に使用したキャラとステータス

検証に使用したのは1凸都桂花で、ステータスとスキルでの貫通効果は画像の通り。1凸だが、貫通効果が20%とキリが良いのでスキル未強化のまま検証に使用している。

貫通のみの効果

  • 敵の推定防御力:5805
  • 貫通適用後の推定防御力:4644
  • 貫通適用後の計算値ダメージ:1646

スキル未強化の都桂花のノーマルスキルダメージを、貫通の有無で比較した。貫通効果は20%。防御力を20%削った状態で殴っているので、当然、ダメージは上がっている。

敵が防御力バフを使った場合の効果

  • 敵の推定防御力:5805
  • バフ/デバフ適用後の推定防御力:8127(5805×1.4)
  • 貫通適用後の推定防御力:6502(8127×0.8)
  • 貫通適用後の計算値ダメージ:1437

こちらは敵が防御力バフを使用した後のダメージ比較。いずれも実測ダメージは計算値と一致している。貫通バフが、防御力バフで増えた分まで巻き込んで無視していることがわかる。

敵が防御力デバフを受けた時の効果

  • 敵の推定防御力:5805
  • バフ/デバフ適用後の推定防御力:3599(5805×(1-0.38))
  • 貫通適用後の推定防御力:2879(3599×0.8)
  • 貫通適用後の計算値ダメージ:1991

続いて防御力デバフを受けた状態でのダメージ比較。防御力デバフはロキのリーダーバフ+カルカスの踊る刃で防御力38%減少である。敵の防御力を38%減少させた後、そこからさらに防御力を20%削った状態の計算値ダメージと一致。防御力バフと同様に、デバフによる防御力計算が行われた後に貫通効果が適用されていると思われる。

敵が防御力バフとデバフを同時に受けた時の効果

  • 敵の推定防御力:5805
  • バフ/デバフ適用後の推定防御力:5921(5805×(1+0.40-0.38))
  • 貫通適用後の防御力:4737(5921×0.8)
  • 貫通適用後の計算値ダメージ:1633

最後に、防御力バフと防御力デバフを同時に受けた状態でのダメージ比較。防御力バフの効果は40%増加、防御力デバフは合計38%減少。防御力バフとデバフは互いに加算されて計上されるため、最終的な敵の防御力は2%増加(40%-38%)になる。バフデバフが互いの効果をほぼ打ち消しているため、貫通適用後のダメージもバフデバフがない時と同程度になる。

貫通ディーラーの得意分野

貫通ディーラーと相性が良い環境
  • 敵の防御力が高い環境
  • 敵の防御手段が「防御力増加バフ」の場合
  • 防御力デバフを入れられないような環境
  • 貫通ディーラーが輝く環境例:
    レイド(ラグナブレイク)/アンダーグラウンド極
貫通ディーラーと相性が悪い環境
  • 敵の防御力が低い環境
  • 防御力デバッファーを多数連れていける環境
  • 敵の防御手段が「スキルダメージ減少系バフ」の場合
  • 貫通ディーラーが輝きにくい環境例:
    ワールドボス

敵の防御が固いほど優位性を発揮する

貫通バフによるダメージ増加効果は、敵の防御力が高ければ高いほど大きくなる。さらに防御力バフなんかも使ってくれたなら、もう貫通バフの独壇場だ。敵の防御力が10000を超えるような状況なら、並のディーラーは貫通ディーラーの影すら踏めない。

問題は、そこまで防御力の高いボスがここ最近現れていないことだが、もし運営が貫通ディーラーを流行らせたいと思っているなら、そう遠くない未来に現れる。キャラの性能インフレと、ボスの防御力インフレ、この2つのせめぎあいの果て、最後に立っているのは貫通ディーラーだろう。

防御力の低い敵とは相性が悪い

貫通ディーラーは防御力の低い敵とは相性が悪い。貫通するものが少ないんだから、当然である。また、貫通効果は敵の最終防御力を割合で減少させるため、貫通バフ単体で敵の防御力をゼロにすることができない。これも、低防御力の敵と相性が悪い理由のひとつだ。

つまり、運営が「貫通ディーラー強すぎてキモいな」と思ったら、HPが極端に高く、防御力が極端に低いボスを出せば貫通ディーラーは死ぬ。逆に「低防御帯で活躍する貫通ディーラーを出したい」と思ったなら、割合ではなく固定値で防御力を貫通するキャラを出せば良い。そのあたりは運営の胸先三寸である。

防御力デバフがある環境とは相性が悪い

貫通ディーラーは防御力デバフのある環境とは相性が悪い。特に、防御力デバフで敵の防御力がゼロになるような状況では、貫通ディーラーである利点はほぼ打ち消される。つまり、防御力デバフ山盛りで挑むワールドボスのようなコンテンツでは、やや分が悪い。

しかし、防御力6000以上で、さらに防御力バフでデバフ分を打ち消したりするようなボスが現れたなら話は別だ。2021年11月の現時点では、まだそんな兆しはないが、今後ワールドボスディーラーとして貫通ディーラーが実装されたなら警戒すべきだろう。