【デスチャ】増幅攻撃力の正気を疑う効果

カルタや細工などとは明らかに一線を画す新育成システム「イグニッション」この狂気の強化システムの正体を探る端緒として、まずは増幅攻撃力の効果検証を行った。

本記事で言及するのは増幅攻撃力だけで、イグニッション全体のポテンシャルはまだ未知数だが、このシステムがデスチャにもたらす影響を知るには十分だろう。

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検証方法

使用キャラ

イグニッションゴガ
非イグニッションゴガ

使用キャラは6凸ゴガを2体。イグニッション済みとそうでないものとで分け、比較検証をやりやすくした。イグニッションゴガに使用したコアの性能は「増幅防御力/増幅攻撃力/クリティカル」。

イグニッションギフトパッケージ

また、一部の検証でイグニッション済みのギフトパッケージも使用している。

使用ステージ

アングラ渋谷

使用ステージはアンダーグラウンド強の「渋谷」で、オルガアウロラ以外を排除した状態でダメージの計測を行った。オルガアウロラを残したのは、どちらも防御力が同じ(約3845)なので等倍ダメージと有利補正ダメージをいっぺんに調べられるからだ。カプ論に火種をまく意図はない。

増幅攻撃力の効果

先に結論からいう。増幅攻撃力は、キャラの総攻撃力(ステータス、装備などもろもろ含む)を乗算増加させるものだ。ノーマルとスライドで見出しを分けたのは、それぞれで適用される増加倍率が異なるためである。具体的にどの程度増加させているのかは、以下で解説する。

増幅攻撃力とノーマルスキル

ノーマルスキルを使用した場合、増幅攻撃力+100につき総攻撃力が15%増加する。増幅攻撃力+200なら30%、増幅攻撃力+300なら45%増加する。

ダメージの比較検証

増幅攻撃力の有無による影響を、以下の条件でノーマルスキルのダメージを比較検証した。6凸レベル60ゴガの装備なし攻撃力は4832。

  • 装備なし増幅攻撃力+100のゴガと装備攻撃力725(≒4832×0.15)の非イグニッションゴガ
  • 装備なし増幅攻撃力+200のゴガと装備攻撃力1450(≒4832×0.30)の非イグニッションゴガ
  • 装備なし増幅攻撃力+300のゴガと装備攻撃力2176(≒4832×0.45)の非イグニッションゴガ

結果は以下のとおり。

ダメージ比較1
ダメージ比較2

左が増幅攻撃力+100、右が装備攻撃力725。

左が増幅攻撃力+200、右が装備攻撃力1450。

左が増幅攻撃力+300、右が装備攻撃力2176。

増幅攻撃力とスライドスキル

ダメージ比較3
ダメージ比較4

画像は増幅攻撃力のみのイグニッションゴガと、装備攻撃力を盛った非イグニッションゴガのスライドダメージの比較(左が増幅攻撃力+200、右が装備攻撃力+3417)。

スライドスキルを使用した場合、増幅攻撃力+100につき総攻撃力が約35%程度増加する。スライドスキルは機敏性のせいでダメージがブレるので、正確な増加率を算出しにくい。少なくとも、ノーマルを使用時に比べ攻撃力増加率が倍程度増えているのは確かだ。

ノーマル連打型スライドスキルの場合

ノーマル連打型スライドスキルの場合、増幅攻撃力の効果はノーマル用とスライド用のどちらが適用されるのか、という検証。ノーマル連打型スライドスキルを持つギフトパッケージをイグニッションさせて調べてみた。

ダメージ比較6
ダメージ比較5

左がノーマル単発、右がスライド使用時のダメージだ。

スライド使用時に付加される追加ダメージ172を除外すると、1打あたりのダメージは同じになる。どうやら、ノーマルスキル連打型スライドスキルの場合は、ノーマル用の増加倍率が適用されるようだ。

15%と35%の差は歴然、これはノーマル連打型スライドスキルを持つディーラーの息の根を止める向かい風といってよい。ノーマル連打型スライドがイグニッションでただの連打型スライドに置き換わるのは、この辺の不利を是正するためだろう。

ちなみに、イグニッションでノーマルの打撃回数が増えても、それでノーマル連打型スライドの打撃回数まで増えたりはしなかった(2連打ノーマル×3回攻撃で6回攻撃……にはならない)。

増幅攻撃力と攻撃力序列

これも結論だけ先にいうと、増幅攻撃力は攻撃力序列に影響を及ぼさない。

攻撃力を以下のように調整し、アネモネのスライドを使用した。

  • ゴガ:攻撃力4832+増幅攻撃力100
  • ジャンヌ:攻撃力4463+装備攻撃力441
  • キリヌス:攻撃力4544+装備攻撃力569
  • アネモネ:攻撃力4735
バフ対象

結果は画像の通り。実質的な攻撃力はゴガが一番高いのにも関わらず、バフ対象から外された。

どうやら、攻撃時に適用される攻撃力にブーストを掛けるだけの役割らしい。増幅攻撃力は「全部のスキルをフレイのスライド化する」ようなもの、と捉えるのが一番わかりやすい。ただし、装備攻撃力のみならずもともとのステータスまで巻き込んで乗算する分、フレイのスライドより圧倒的に強い。

増幅攻撃力と各種補正・バフ

攻撃力増加バフとのシナジー

増幅攻撃力は、他の攻撃力バフ(諸刃など含む)で増えた分もすべて巻き込んで乗算増加する。なあ、ボウズ、いいか、増幅攻撃力は、他の攻撃力バフ(諸刃など含む)で増えた分も、すべて巻き込んで乗算増加するんだ。

たとえば、増幅攻撃力+300のキャラに増加倍率100%の諸刃を付与したとしよう。この時、ノーマル使用時の攻撃力は2.9倍(=1×2×1.45)になり、スライド使用時の攻撃力は4.1倍(=1×2×2.05)になる。ボウズ、泣くな。

簡単に書くと「増幅攻撃倍率×バフとか装備とかで増えた攻撃力全部」である。イカれている。先祖の墓前でこのダメージ計算いえんのかよ。

攻撃力増加バフによるダメージ変化

ダメージ比較7

上の画像は増幅攻撃+300のゴガ(装備なし)に、攻撃力増加バフ(+36.6%)を与えた際のノーマルスキルダメージだ。オルガに1460ダメージ、これを覚えておこう。

次に、増幅攻撃と攻撃力増加バフの効果が互いに加算だと仮定した場合の攻撃力と、乗算だと仮定した場合の攻撃力を算出する。

  • 加算:バフ適用後の総攻撃力は8775(≒4832×(1+0.366+0.45))
  • 乗算:バフ適用後の総攻撃力は9571(≒4832×0.366×1.45)

上の攻撃力に近くなるよう調整した非イグニッションゴガを使い、それぞれの場合でのノーマルスキルダメージを計測。

攻撃力調整ゴガ2
ダメージ比較11

こちらは総攻撃力8769のノーマルスキルダメージ。

攻撃力調整ゴガ1
ダメージ比較10

こちらは総攻撃力9565のノーマルスキルダメージ。

結果は一目瞭然。増幅攻撃力は、明らかに攻撃力バフで増加した分も巻き込んで乗算している。

スキルダメージ加算系バフとの相性

増幅攻撃力はスキルダメージ加算系バフには影響を及ぼさない。

攻撃力ではないので当然といえば当然だが、スキルダメージ直接加算系バフとはちょっとだけ相性が悪い。

属性・クリティカル補正への影響

ダメージ比較13
ダメージ比較12

増幅攻撃力でブーストされたダメージも、属性やクリティカル補正の影響を受けてしっかり増加する。属性補正が乗れば1.4倍されるし、クリティカルになれば2倍だ。クリティカルバフもいつもどおり乗るので、完凸ルパンバフならクリティカルダメージは4倍になる。

最終ダメージ増加系バフ・デバフの影響

増幅攻撃力でブーストしたダメージにも、最終ダメージ増加系バフ・デバフ(弱点攻撃増加、弱点防御ダウン、最終スキルダメージ増加 etc)の効果はちゃんと乗る。そもそもバフとしてのカテゴリが違うので、そりゃそうかという感じ。

装備(バフ)倍率増加型スキルとの驚くべき相性

装備(バフ)倍率増加型スキルとは、いわゆるフレイのスライドのようなスキルのことだ。正しい名称がわからないので、便宜上このように呼称している。

フレイスライド

これ

上で、増幅攻撃力は全スキルをフレイのスライド化するようなもの、と言ったが、じゃあそのフレイスライドが増幅攻撃力と出会ったらどうなるのか? 結論からいう。

どうもならない。

ここまで見せてきた凄まじさはどこへやら。調整担当が一瞬だけ人の心を取り戻したとしか思えないほど、ダメージ増幅効果が弱くなる。総攻撃力を乗算増加する効果は影も形もない。

正体を探ろうと、さまざまな仮説を立ててみたがどれもピンとこない。一番しっくり来るのは「増幅攻撃力を3倍した攻撃力を単純に足している」だ。これも多分正解ではないが、そのぐらい効果が弱くなっているということだ。

具体的な効果がわからないので断言はできないが、今後、他属性にイグニッションが到来しても、装備(バフ)倍率増加型スキル持ちに増幅攻撃力をつけるのは避けた方がよいかもしれない。

装備倍率増加型スキル×増幅攻撃力のダメージ例

検証に使用したのは、装備倍率増加型スキルを持つ貴重な星3キャラ「マンティ(2凸)」。私はコイツの存在を完全に忘れていたのだが、Discordでの情報提供により今回の検証が可能になった(めちゃくちゃありがとうございます)。

マンティ2凸の装備倍率は115.5%。これを、非イグニッション(左)とイグニッション(右)の2体用意して、ダメージを比較した。スライドにダメージブレがある(±50ぐらい)ので、あくまで参考程度だが、以下に例をいくつか掲載する。

非イグニッションマンティスライド
イグニッションマンティスライド
比較条件1
  • 装備攻撃力:4497
  • 増幅攻撃力:150(イグニッションマンティのみ)
  • 総攻撃力:8840
  • 敵防御力:約1216
  • 属性補正:等倍
比較条件2
  • 装備攻撃力:4497
  • 増幅攻撃力:150(イグニッションマンティのみ)
  • 総攻撃力:8840
  • 敵防御力:約1216
  • 属性補正:有利(1.4倍)
比較条件1
  • 装備攻撃力:4497
  • 増幅攻撃力:150(イグニッションマンティのみ)
  • 攻撃力バフ:67.4%増加
  • 総攻撃力:8840(バフ適用後は14798)
  • 敵防御力:約1216
  • 属性補正:有利(1.4倍)

増幅攻撃力の効果検証まとめ

増幅攻撃の基本効果

増幅攻撃の基本効果
  • ノーマルスキル使用時、増幅攻撃力+100=総攻撃力+15%増加として適用される
  • スライドスキル使用時、増幅攻撃力+100≒総攻撃力+35%増加として適用される
  • ノーマルスキル連打スライドスキル使用時は、ノーマルスキル用の増加倍率が適用される

増幅攻撃と各種バフ

増幅攻撃と各種バフ
  • 増幅攻撃力の攻撃力増加倍率は、ほかの攻撃力増加バフ(諸刃その他含む)の効果も乗算増加させる
  • 増幅攻撃力の効果は属性・クリティカル補正(クリティカルバフ含む)の影響を受ける
  • 増幅攻撃力でブーストしたダメージも、最終ダメージ増加系と共存可能かつ乗算増加する
  • 増幅攻撃力は、スキルダメージ加算系(スライドスキルダメージ+1500とか)には影響しない

その他

その他ついでにわかったこと
  • イグニッションでノーマル単体の連打回数が増えても、ノーマルスキル連打型スライドスキルの連打回数は増えない
  • 増幅攻撃力による攻撃力変化は、編成内の攻撃力序列に影響を及ぼさない
  • 増幅攻撃力によって増加した攻撃力は、カルタや細工のステータス変換対象にはならない

所感

幼年期の終わり。

その一言に尽きる。9月に控えるラグナブレイクのサブタイトルが「Childhood’s End」なのがまさに、という感じ。

イグニッションシステムは、デスチャ史上最大の、そして未曾有の大変革である。限界突破や細工やカルタなんていう細々した強化要素はすべて古い地層に叩き落とされた。いま、デスチャには2種類のキャラしかいない。イグニッションしたキャラと、そうでないキャラだ。

イグニッションによる強化は、カルタや細工程度のつましい努力で埋められるようなものでは絶対にない。星3と星6のレアリティ差すらひっくり返す可能性を秘めている。近いうち、ワールドボスは億を目指す戦いになり、さらに億を競う戦いになるだろう。

たまたま先に調べた増幅攻撃力の効果がブッ壊れているだけ、という可能性も信じたいが、残念ながら増幅機敏や増幅クリティカルからも火薬の匂いがプンプンしている。正気を保てていたら、そちらも近々調べる予定だ。