【デスティニーチャイルド】ギルティネはミュリナを過去にしたのか?

これは先日デスチャに実装された水属性バッファー「ギルティネ」の真価を問うための記事だ。

一見、とんでもないものが現れたと思った。ワールドボス限定とはいえ、スライドひとつで攻撃バフとスキルダメージバフと加速をいっぺんに付与するなんて、やりすぎにも程がある性能、戦前なら憲兵が黙っていないぜいたくだ。

しかし何か引っかかった。気づかぬうちに、見えない陥穽にハマりこんでいて、しかもそれは非常に重大なことのように思えた。疑念の正体を突き止めるためにも、本記事でギルティネの持つバフの効果検証、およびミュリナとの比較を行う。

ギルティネ基本情報

ギルティネのステータス&スキル

ギルティネ1 ギルティネ2

スライドバフのスキルダメージ増加量は+21.9%。

スキルダメージ増加バフへの疑念と過去の事件

効果量の耐えられない低さ

攻バフのみ スキルバフ含む

上はギルティネのスキルダメージ増加バフの有無で、ダメージの変化を調査した時のものだ。左が攻撃力アップバフのみ、右が攻撃力アップバフ&スキルダメージ増加バフ付与時のものである。

これを見たとき、あまりにも効果が薄い、と思った。ギルティネ無凸とはいえ、ワールドボス限定バフで、たった149ダメージの増加とは。弱点スキルダメージ増加バフと同じ挙動だとしたら、考えられない数値である。

そして同時にこの、期待を大きく裏切るバフには見覚えがあった。上方修正される以前、あまりにも低すぎる効果量で話題となった「自請妃の旧リーダーバフ」である。

【デスティニーチャイルド】リーダーバフ”ノーマルスキルダメージ+X%”の野郎

2018.08.14

自請妃の旧リーダーバフ問題

「自請妃の旧リーダーバフ」の効果とやらが何なのかについて語る前に、まず「スキルダメージ」というものを構成する要素について説明しなければならない。

スキルダメージ

スキルダメージ、ここではスキル説明に表記されているものを指すが、これは「装備以外のステータス上昇(Lvやキズナ)」で増加する。また、スキルレベルを上げることでも増える。

つまり「スキルダメージ」の中には「スキルレベルで上昇したダメージ」「装備以外のステータスで上昇したダメージ」が混在しているのだ。

この2種のスキルダメージ増加源のうち「スキルレベルで上昇したダメージ」にしか作用しないバフ、それが自請妃の旧リーダーバフだったわけだ。

だから例えば、スキルダメージ1000のノーマルスキルに、自請妃の旧リーダーバフ「スキルダメージ+8%」を与えたとしても、スキルダメージの内訳が「800(ステータス増加分)+200(スキルレベル増加分)」だった場合、バフによって増加するのはたった16ダメージ(=200×0.08)ということになる。

スキルダメージ1000のものにスキルダメージ+8%のバフを与えたのに、たった16ポイントしか増えていない。どういうことだ! ……というのが「自請妃の旧リーダーバフ問題」である。

そして紆余曲折あり、最終的に上方修正という名目のもと自請妃のリーダーバフは本来の効果が期待されるものに差し替えられた。ここは重要である。行われたのはバフの修正ではなく「差し替え」。つまり、上述したバフの作用は不具合ではなく仕様であると、公式に明示されたことになる。

今後の誤解を招かないようもう一度。「スキルレベル上昇分にしか作用しないバフ」は、効果量が低かろうがなんだろうが決して不具合やバグではない。そういう仕様を持つものなのである。

スキルダメージ増加バフの効果検証

スキルダメージ増加バフの効果

前置きが長くなった。ここからはギルティネのスキルダメージ増加バフについて効果検証となる。

というか、この流れからスキルダメージ増加バフが「スキルレベル上昇分に作用するバフ」じゃなかったら、筆者の頭がおかしいか、ジャルジャルのコントに影響を受けすぎかのどちらかだ。

結論からいうと、スキルダメージ増加バフとは「スキルレベル上昇分にのみ作用する」ものなんだが、それを確信するに至った経緯を以下で述べる。

スキルダメージの増加率調査

調査には星4無凸レベル1のダヌを使用する。ノーマルスキル連打型であるダヌは、ノーマルとスライドでダメージ計算式が変わらないので、計測が非常にやりやすい。

検証結果1

ダヌの「ノーマルスキルのスキルレベル」だけを1ずつ上昇させて、スキルダメージ増加バフの効果量計測を行った。上の表はその計測結果をまとめたものだ。

スキルダメージの中にどの程度スキルレベル上昇分が含まれているかはわからないので、スキルレベル1とレベル10の差分から増加率を算出する。式は以下の通り。

(スキルlv10の増加量 – スキルlv1の増加量)/(スキルlv10攻バフのみダメージ – スキルlv1攻バフのみダメージ)

スキルダメージ増加バフによる増加率は約21.1%(=(24-12)/(733-676))となる。実測されるスキルダメージは小数点以下が四捨五入されているため、綺麗にスキル表記通りとはならなかったものの、それなりに近い数値となった。

続いてステータス変動による実測ダメージの変化を調査する。使用キャラは星4レベル&キズナマックスのダヌ、ただしノーマルスキルはレベル10のまま。上の表ではバフによる増加ダメージは24ポイントだったが、このステータス変動によりどうなったか。

ダメージ1 ダメージ2

1712-1688=24

ビタイチ変わらなかった。

スキルダメージ増加バフは、スキルレベル上昇分にしか作用しないバフと見て間違いない。

ドライブスキルでのバフも同様

ギルティネがドライブスキルで付与する「ノーマルスキルダメージ〇〇%増加バフ」、こちらも上と同じ「スキルレベル上昇分にしか作用しないバフ」だ。

これは驚くに値しない。なぜなら、すでに公式ブログで明示されているからだ。しかし念のためこちらも検証しておこう。

バフ有無でのフィーバーダメージ変化

使用するのは星5無凸レベル1のベス。

ベス1 ベス2

ギルティネのドライブバフ有無でのフィーバーダメージの変化を追った。結果はこちら。

フィーバー1 フィーバー2

増加分は、なんとたったの「8」。スキルレベル1なのだから当然といえば当然だが、悲しい。

続いてベスのスキルレベルはそのままに、レベル・キズナをそれぞれマックスにした。

ベス3 ベス4

ステータス上昇によりスキルダメージも3倍強に膨れ上がった。ベスちゃんもニッコリである。見たまえ、これは大幅なダメージ上昇を期待している顔だ。ゼッタイ期待に応えてあげたいね。

フィーバー3 フィーバー4

大人はウソばっかり。

ということでドライブバフの「ノーマルスキルダメージ〇〇%増加」も、スキルレベル上昇分にしか作用しない。仕様通りである。

ギルティネとミュリナの比較

ここまでの検証結果を踏まえて、ミュリナと比較した時どうなのか、について考察をしていく。想定するシチュエーションは以下の通り。

  • 水属性有利レイド(敵に弱点防御40%減少効果あり)
  • ボスの防御力は2355とする
  • ディーラーは完凸ディーノ(レベル・キズナ・スキル全て最大)
  • ミュリナ・ギルティネの条件も同上
  • ミュリナ・ギルティネ以外のバフは一切ないものとする

フィーバーダメージ比較

ギルティネとミュリナ、それぞれのバフをフル活用した場合のフィーバーダメージを比較する。

レイド開催期間中ではないの実測できないのが残念だが、ダメージ計算式等に基づいて算出したフィーバーダメージの一覧がこちら。

フィーバーダメージ

ディーラーの攻撃力別にダメージを算出してみたが、全てのケースでミュリナが上回った。水属性最強レイドバッファーの面目躍如といったところか。

ちなみに、完凸ディーノのノーマルスキルに含まれる「スキルレベル上昇分のダメージ」が皆目検討もつかなかったので、ギルティネのドライブバフは完全に除外している。

とはいえ、まったく何の参考もないというのもアレなので、一応の目安を以下に掲載する。

フィーバー5 フィーバー6

上の画像は3凸ディーノのフィーバーダメージを、ギルティネドライブの有無で比較したものだ。左がドライブバフなし、右がドライブバフあり。ダメージ差は70。

ここから逆算すると、3凸ディーノにギルティネのドライブを乗せた場合、ノーマルスキルダメージは約180上昇することになる。少な。

仮に完凸ディーノ+ドライブバフで、ノーマルスキルダメージが300上昇したとしても、ミュリナには及ばない。限界突破状況が同じだった場合、フィーバーに関してはミュリナに軍配が上がる。

スライドダメージ比較

続いてスライドダメージの比較。想定状況はフィーバーと同じ。

スライドダメージ

当たり前だがスライド性能の差は歴然。スライドバフのみの勝負では、ギルティネの影さえ踏ませてもらえない。

ただしリーダーバフを使用するとなれば立場は逆転する。ミュリナの本領とも言うべきバケモノ効果量の弱点スキル最終ダメージ、その威力はやはりすさまじい。とはいえそれでも圧勝とはいかないのがギルティネの恐ろしさ。

加速バフの差も考慮すれば、スライドDPSについてはギルティネに軍配が上がるだろう。

ギルティネ検証まとめ

ギルティネスライド&ドライブバフ効果検証
  • スキルダメージ割合増加バフは「スキルレベル上昇で増加したダメージ」にのみ作用する
  • ノーマルスキルダメージ割合増加バフの効果も同上

ギルティネは結局どうなのか

強い。ただし、とても繊細に強くされている。

強いキャラを出してガチャを回してもらいたい、でもミュリナを時代遅れにしたくもない、そんなアンビバレンツな気持ちのせめぎ合いの果てに産まれたキャラ、という印象だ。

そしてきっと、それは見事に達成されている。ギルティネは強バッファーとしての存在感を示しつつ、ミュリナにも敬意を払える性能となっているのだ。

スキルダメージ増加およびノーマルスキル割合増加の効果については、検証結果の通り、大したものではない。あったら使うがなくても困らない、小銭みたいなバフである。しかしこれがジャラジャラとけたたましい音を立てているせいで、ギルティネの存在感が増している。よく言えば神調整、悪く言えば張り子の虎だ。

ワールドボスバッファーとしては超一流、レイドバッファーとしても充分選択肢に入る。しかしギルティネがミュリナを過去にしたかといえば、答えは「NO」だろう。依然としてミュリナのリーダーバフとドライブは他の追随を許さない。

しかし今後、弱点スキルダメージを補えるバッファーが登場し、ステータスがインフレし、スキルレベルの上限が解放された時にどうなるかはわからない。ミュリナとギルティネ、未来があるのはどちらかと言われれば、ギルティネかもしれない。